10月になりまして、今年も薪の受注がはじまりました。
で
毎年別荘用の薪をご購入いただいているお客様から、去年の薪はあまり良くなかったという意見をいただきましたので、内容をお伺いしました。
- 皮が分厚くて、皮が分離していた
- 虫食いが多くスカスカなものがあった
とのことでした。
言い訳と思われるか、薪を作っていらっしゃる方はうなづいていただけると思いますが、言い訳を以下に。
1に関して
皮が分離するのは、普通のことである。皮が分離する理由は、皮と幹の間に水分があり、それが乾燥することによって、皮が剥離します。
また、これには幹の部分と、皮の部分との水分の消失による収縮率の違いにギャップがあり、より剥離しやすいのです。
これは皮が薄い樹木は起きにくく、厚い樹木はごく普通の現象です。分離した皮は焚き付けに喜んでもらっていく方もいらっしゃいます。
なぜこういったご意見がでたのかというと、こちらのお客様は薪を自分で作っていらっしゃらないということ、あと、毎年早いタイミングに雑木をご購入(雑木は数が少ない上、安いために人気が高く早く売れてしまう)いただいているので、ナラやクヌギなどの納品はあまりない。
ちなみにカシとケヤキも高級薪ではありますが、どちらも比較的皮が薄く(めちゃくちゃ太いのは厚いけど)、剥離しにくい樹木です。カシとかは若い枝とかは剥離するけどパリパリというか粉々になったりしますね。
確かに今まで納品したのは、柿やケヤキが多かったために皮が剥離することはあまりなかったので、
なんだこの薪、皮が剥がれちゃうじゃないか
と思われたのだと思います。
↑乾燥1年目の棚ですが、乾燥中のナラ・クヌギの薪は、だいたい皮が剥がれます。
2に関して
これについては言い訳が難しいです。品質についてのツッコミになるのですが、
外で乾燥する以上、虫食いは避けられない
のです。
これの対処は、
虫食いのひどいのは避けて納品
くらいしか避ける方法がありません。網で囲むっていう手もありますが、へばりついて乾燥しにくくなっちゃうんじゃないかなあ。
完全にビニールで被せてる上野さん方式でも、虫だけは避けられないとおもうし。
どうしても虫食いは嫌だということでしたら、人工乾燥の薪をご購入いただいたほうがいいと思います。
ただご意見は、虫食いだらけでスカスカだったというものでした。
納品した物の中にはスカスカといわれるものもあると思います。たとえば、切った段階で若干傷んでいた場合、それが乾燥するとおそらく凄く軽いと思います。もちろん燃料にはなりますが、火力は高く上がらないですね。むしろ最初にそんなのをくべてしまうと煙ばかりでて燃えないでしょう。
この虫食いですが、ブログをずっと読んでる人は分かると思いますが、最初からあんまりひどいのは自宅用にしていました。
それでも納品している薪の中に混じっていたのだと思います。
これは謝るしかありません。申し訳ありませんでした。
ただ薪は自然の物だって言うことはご理解いただきたい。
虫食いが多いその理由は、
薪に水が着く環境にあったから
というものだと思いまして、トラックシートを被せる
どちらかというと風通しの悪い乾燥方法
から、
屋根のある棚で風通し良く乾燥させる方法
に切り替えました。
これがまず大工さんに作ってもらった敷地内の棚。木製(屋根はガルバトタン)です。
まあ、4列なのでこれも風通しいいのか?という疑問はありますが、なにせ雨がかかりません。
このあとに、
こうやって拡張していったわけです。
で ようやくこの棚で作った薪が今年出せます。
とはいえ、まずは割って、含水量を確認しますけどね。