バーモントキャスティングス社で、名機「アンコール」が発表されたのは1986年です。
その後、アンコールはモデルチェンジされず、「アンコール エヴァーヴァーン」という派生した機種が発表されたのが、2005年です。
このアンコール エヴァーヴァーンは、触媒を必要としないヨーロッパで作られる薪ストーブで広く採用されているクリーンバーン方式を、バーモントキャスティングス社が効率昇華させたシステムが、「エヴァーヴァーンシステム」です。
バーモントキャスティングス社は、このエヴァーヴァーンが発売されるとき、従来の触媒を使用するアンコールを廃盤にしないで、アンコールエヴァーヴァーンも同時に発売してきました。
(実際、エヴァーヴァーンがアンコールに比べすべてにおいて優秀というわけではなく、触媒型と、エヴァーヴァーンシステムとの燃費の違いがありますし、排ガスも違っています。※アンコールのほうがどちらも優秀)
ご存知のとおり、触媒方式は、触媒を必要とします。
エヴァーヴァーンは、結局はクリーンバーンなので、触媒は必要としません。
さて、
このたびのモデルチェンジは、触媒型のアンコールと、エヴァーヴァーンの生産をやめ、両方とものいわば「いいとこ取り」をとった、「フレックスバーン」1本となりました。
また、アメリカで発売されているアンコール2in1とはまた違っているようで、この2in1は、エヴァーヴァーン方式を採用していて、フレックスバーンは、「クリーンバーン方式」を採用していて、2in1の名前が「フレックスバーン」という名前になったという訳ではないようです。
このフレックスバーンが発売されるまで、結構な時間と、開発が行われたそうなのですが、日本代理店のファイヤーサイドは、バーモントキャスティングス社が2in1の発売により、アンコールとアンコールエヴァーヴァーンが北米での生産を終えていても、日本国内で2in1が受け入れられるか慎重に吟味し、その間、バーモントキャスティングス社に日本国内販売用に基本的に廃盤になった従来のアンコールと、エヴァーヴァーンを生産してもらっていました。
何がスゴいかっていうと、通常は、メーカーが商品を廃盤にした地点で、代理店はまずそれを受け売れざるおえませんが、日本代理店のファイヤーサイドはそれを日本国内ユーザーの為にそれをはねのけ、新製品の吟味をしている間、別ラインで日本国ない販売用に実績のある廃盤商品を生産してもらい、さらに既に北米で発売されている2in1の見直しと同時に日本国内生産用にさらに昇華した商品の開発をしてもらい、そして製品(フレックスバーン)が出来上がっているということです。
このアンコールフレックスバーンですが、どちらもいいとこ取りをしているので、触媒燃焼もあり、触媒を必要としないクリーンバーンでの燃焼もできるというものです。
触媒がなくても、クリーンバーンとして、燃焼を続けられます。
流れとしては
1次燃焼 = 炉内燃焼
2次燃焼 = クリーンバーン方式の燃焼
3次燃焼 = 触媒方式の燃焼
で、触媒がなくても、2次燃焼まで行ってくれます。
少し気になるのが、
継続して採用されている「自動温度調節機能」で、以前のアンコールにあって、エヴァーヴァーンになかった機能なのですが、異なる温度で伸縮をする金属を使った渦巻き型の装置で、薪をくべたときに通常行う、空気調節などを自動で行ってくれるというスグレモノです。しかもエアコンのように「室温が一定にあがってきたら入れ、涼しくなってきたら一旦切る」といった、ギザギザ波形の調節ではなく、ゆるやかなカーブを描くような温度変化をもたらせるシステムとなっており、本当にスグレモノ。
このコイル状の機能について、パンフレットではちゃんと「自動」となっているのですが、パンフの写真を見る限りそれをあまり大きく謳ってはおらず、コイル状のものではなく違うシステムを採用しているのか?どうか不明。このへんは確認します。
まだ旧式のアンコールも販売中で、炎については旧タイプのほうが美しく見えるとのこと。メンテナンスに関しては、新しいフレックスバーンは極めて簡単らしいです。(それにまだ発売したばっかりで心配という件等もあるかもしれんし)
アンコール フレックスバーン(マジョリカブラウン)がファイヤーライフ岐阜さんに7月中旬に嫁入りしてくるらしく、導入したらガンガンにエアコンを入れながら通常運転をするらしいのでその様子を見て、判断したいと思います。
ただこの時期、外気が暖かいのでドラフト(上昇気流)が弱くなるので、燃焼するのに向かないというのは確かなんですけど。
新しいアンコールとの出会い、楽しみです。